寝台列車の揺れで何度も目が覚めたまま、朝7時ごろにアスワンへ着いた。ここからは、エジプト南部でも特に行きたかったアブシンベル神殿を、日帰りで往復する。
神殿自体は確かに強かったんだけど、それ以上に記憶に残ったのは、金曜運休に振り回されて乗ることになった砂漠のミニバスだった。行きも帰りも素直には進まず、移動だけでかなり体力を持っていかれた1日だ。
金曜運休で、いきなりミニバスに変わる
アスワン駅に着いて、まずはホテルへ向かって荷物を預けた。アブシンベルへはバスで向かうのが一般的だ。市内からバスターミナルまではローカルな乗り合いバスを利用した。乗り方が非常に難しかったけど、たまたま近くにいた現地の人に助けてもらって、適正価格の10ポンドで無事にターミナルへ着けた。
けど、ターミナルのチケットオフィスで長距離バスのチケットを買おうとしたら、**「今日はミニバスしかない」**と言われてしまう。どうやらこの日は金曜日でイスラム教の休日(合同礼拝の日)にあたるため、大型の長距離バスは運休してたらしい。

アスワンからアブシンベル神殿への行き方。バス・ツアー・飛行機の比較
アスワンからアブシンベル神殿へ行く方法を、バス、ツアー、タクシー、飛行機で比較しました。金曜運休や駅からバスステーションへの動き方など、現地で詰まりやすい点も整理しています。
tomokichidiary.com/posts/howtoget-abusimbel-from-asuwan
エアコンなしの車内で、砂漠を3時間半
仕方なく、乗り合いのミニバスで向かうことに。最初は2人で600ポンドとふっかけられたけど、交渉して400ポンドで乗せてもらえた。人が集まるのを待って、朝8時20分ごろに出発。けど、このミニバスの移動が想像以上に過酷だった。
- エアコンなしの車内は、本来11人乗りのハイエースに20人近くが詰め込まれた、超過酷な空間。
- 窓を開ければ少しは涼しくなるはずが、外は砂漠の未舗装路。猛烈な砂埃が舞い上がってくるので、窓を開けることすら許されない。
- 周りには何もない砂漠の一本道を、常に時速100kmほどの猛スピードで激走する。
- 激しい揺れに襲われるたび、天井の隙間から砂がパラパラ落ちてくるという、砂漠ならではの洗礼を受けた。
そんなハードな環境だったけど、隣に座ってた現地の人がリンゴやぶどうを分けてくれるという、温かい交流もあった(お腹を壊さないか少し心配だったけど、美味しかった)。
到着した神殿は、移動のしんどさを忘れる迫力だった
約3時間半の激走の末、11時40分ごろにアブシンベルに到着。バス停から歩いて神殿の入り口へ向かう。ここでも日本の学生証が威力を発揮して、入場料は半額の455ポンドになった。
目の前に現れたアブシンベル神殿は、岩山をくり抜いて作られた巨大な遺跡で、正面に鎮座する4体のラムセス2世像は圧倒的な存在感を放ってた。ギザのピラミッドと同じくらい、はるばる時間をかけて見に来る価値がある、大迫力の神殿だ。
帰りも人待ちで止まり、実質チャーターで戻る
神殿見学を終えて、アブシンベル中心部のレストランでコフタとマンゴージュースのランチ(580ポンド)を食べた。
そのあと、再びバスステーションへ戻ってアスワン行きのバスに乗ろうとしたんだけど、**「5人集まらないと出発しない」と言われてしまう。待てど暮らせど人は集まらず、結局これ以上待つのは無理だと判断。途中で降りる現地人1人と自分たちの計3人で出発してもらうために、自分たち2人分で1000ポンド(実質的なチャーター代)**を支払った。
17時前に出発した帰りのバスも、何度か休憩を挟みながら夜の砂漠を走り抜けて、アスワンのホテルに着いたのは夜の21時過ぎ。エジプト南部の暑さと往復移動で完全に体力を削られて、その日はそのままベッドへ倒れ込んだ。翌日はアスワン市内で移動の判断を誤り、この旅でいちばん怖かったトラブルに入っていく。