ベトナムでの乗継を終えて、ようやくインドに入った。ここからが本番のはず……だったんだけど、到着初日から入国、深夜移動、街歩きまで、全部まとめて振れ幅の大きい一日になった。
怖い場面もかなりあった一方で、助けてくれる人の親切さも同じくらい強く残ってる。デリーは最初から、しんどさと面白さが同時に来る街だった。
入国でつまずき、深夜のデリーで降ろされる
日本人がインドに行く場合、事前にビザを取得しておく必要がある。自分たちは事前にe-VISAを取得してたので、e-VISAの列に並んだ。
ところが自分たちの順番が来ると、審査官が何かを示して 「この紙を出せ」 と言う。「え、そんなの知らない」と困惑してると、後ろに並んでた韓国人らしき人が「その書類はあっちで書くんだよ」と親切に教えてくれた。どうやら、e-VISAとパスポートだけじゃなく、小さな書類を記入しないといけなかったらしい。危うく入国できないところだった。後ろの人に感謝だ。手続きに少し時間はかかったけど、無事にインドへ入国できた。

インドのe-VISA申請方法。必要書類と詰まりやすい点の整理
インドのe-VISA申請手順と必要書類を、申請時に詰まりやすい点を中心に整理しました。利用可能な空港・港の情報も含め、実体験ベースでまとめています。
tomokichidiary.com/posts/india-visa
ただ、その時点で地下鉄の終電はもう終わってて、ホテルまではタクシーを使うしかない。空港を出てすぐの客引きの野良タクシーはぼったくられるので、Uberを使うことにした。でも、なかなかドライバーが見つからない。みんなUberを使おうとしてたんだろう、乗り場ではたくさんの人が待ってた。待ち続けて、結局ドライバーが見つかるまで20分ほどかかった。インドに夜遅く着くときは、早めにUberでドライバーを探し始めるのをおすすめする。
ようやくタクシーに乗って、ホテルで一休みできると思ってたら、なんだか周囲が怪しい雰囲気に……。ゴミが散乱し、建物は崩れ、道端では人や犬が寝てて、薄暗い場所。「ここじゃないよな」と思ってたら、まさかのそこで降ろされた。

タクシーも帰ってしまって、自分たちはそこに取り残される。すると現地の人らしき人が近寄ってきて、「どこに行くんだ?」と話しかけてきた。殺されるかも、と内心は怖さでいっぱいだったけど、Google Mapを見せて「このホテルなんだけど……」と答える。すると彼は「ついてきな」と言って先に進んでいく。
最初は不安でたまらなかったけど、進むうちに周囲がだんだん明るくなってくる。彼の案内通りに進むと、本当に自分たちが予約したホテルがあった。今まで生きてきて味わったことのない恐怖と安心感。人生で一番長い10分間だったかもしれない。彼を疑ったことを申し訳なく思ったし、感謝の気持ちでいっぱいだった。
その晩はチェックインしてすぐベッドに倒れ込み、風呂に入る元気もなく、そのまま眠りについた。

ちなみに泊まったのはこの "Hotel Cottage Yes Please"。ここに2泊した。チェックアウトのときに撮った写真なので、散らかってるのは大目に見てほしい。
いよいよインド観光、のつもりが
昨日はいろいろあったけど、切り替えて今日は観光を楽しもう……と思った矢先、またしても予期せぬ出来事が。3日目にタージマハルを訪れる計画だったのに、なんとタージマハルは金曜日は閉まっているという事実が発覚した。
電車もホテルも予約済みだったので、どうするかみんなで話し合う。でも、なかなかいい案が出ない。お腹も空いてたので、とりあえずニューデリーを観光することにした。
お昼も近かったので、まずはインドカレーを食べに、近くのコノート・プレイスへ向かう。ホテルを出て歩いてると、いきなりインド人が「そっちの道は危ないから、こっちから行きな」と案内してきた。最初はガイド料を請求されるのでは、と疑ってたけど、どうもそんな様子じゃない。歩きながら話してるうちに仲良くなった。
「俺ら友達だから」と言って、チャイを飲もうと誘ってくる。ただ、そのとき自分たちは両替をしてなくて、「インドのお金を持ってないんだ」と言うと、「俺が払うよ、俺ら友達だから」とチャイを奢ってくれた。これが初めてのマサラチャイだったんだけど、すごく美味しかった。

そのあと「お腹が空いててカレーが食べたい」と言うと、「いいカレー屋を紹介してやる」と連れて行ってくれる。お金がないと伝えても、「俺が払うから後で両替して返してくれ、お腹が空いてるんだろう?」と先に払ってくれた。というわけで、現地の人おすすめのカレー屋へ。頼んだのはバターチキンカレーとチャパティだ。

初めての本場インドカレーのお味は……うまい、けど辛い。めちゃめちゃ美味しいんだけど、なんせ辛い。インドで初めての食事だったこともあって全然食べられず、ミルクを入れてもらって辛さを薄めた。しかも、もともとの辛さでも自分たちのためにスパイスを少なめにしてくれてたらしい。インド人、すごい。
大満足で店を出たあとは、両替とこの先のプランを考えるのも兼ねて、彼が "information center" へ連れて行ってくれた。もとの予定や、タージマハルを見に行けなくなったことを伝えると、2日間でデリー・アグラ・ジャイプルを回るツアーのようなものを提案してくれた。なんと運転手付き、ジャイプルでのホテル付きで20,000円。かなり安いと思う。
ただ、これは後日談になるんだけど、自分たちにはこのツアーはあまり合ってなかったな、と後で話していた。快適に移動できて現地ガイド付き、オートリキシャーの値段交渉までしてくれる、かなりいいツアーではあった。でも移動が全部車で、行く先がすべて観光地だったので、「インドを体感しに来た」自分たちとしては、バスや電車で移動してみたかったし、市場をもっと歩きたかった、という気持ちもあった。とはいえ、インドを観光するにはこれ以上ないくらい良いものだったと思うので、使うのは全然ありだ。
そんなわけでツアーを申し込み、電車をキャンセルしてもらって、両替も済ませて完了。ここで、ずっと案内してくれたインド人とはお別れ。もちろんカレー代はしっかり返して、感謝の意味で少しチップを渡して別れた。
ここからがデリー観光の本番
案内してくれたインド人と別れたあとは、2日間運転してくれる運転手とあいさつをして、いざデリー観光へ出発。ワクワクしながら車に乗り込んだけど、この時点で時刻はすでに午後3時過ぎ。デリーの観光地は夕方5時に閉まることが多いので、今日は限られたスポットしか回れない。
まず向かったのは "アグラーセン・キ・バオリ" という歴史的な井戸。入場料はかからない。

ここは昔からの水源で、映画のロケ地にもなったそう。井戸自体の作りに重厚感があって、いい場所だった。ただ本当にこれだけで、10分もあれば十分回れる。自分たちも10分ほどで観光を済ませて、次へ向かった。
次は "Indian Gate(インド門)"。

第一次世界大戦で亡くなったインド兵を追悼するために建てられた、大きなアーチ状の独立記念碑だ。周りは広々してて、整備された公園のような雰囲気。ただ一つ注意点があって、観光客に話しかけて勝手に写真を撮り、お金を要求してくる人が多い。撮って売りつけようとしてくるので、「No, No」と言いながら無視するのが一番だ。
最後のスポットは "Lotus Temple(ロータス寺院)"。

名前の通り蓮の花の形をした現代的な建物で、宗教や国を超えて、すべての人が訪れることができる場所だ。どの宗教のものというわけでもないらしい。白い蓮が静かに佇む姿に心が癒やされて、思わず何枚も写真を撮ってしまった。内部はとても広々してて、観光客だけじゃなく地元の人も瞑想や祈りに訪れてた。忙しないデリーの街なかで、心の平安を感じられる場所だった。
時間はもう夕方5時を過ぎてたので、ロータス寺院を最後にホテルへ戻ることに。途中、運転手さんが「ライトアップされたインド門も見せたい」と言ってくれて、再びインド門の前を通過する。ライトに照らされたインド門は、昼とは違う幻想的な雰囲気で、なんとも神秘的な美しさだった。

これで1日の観光は終了。ホテルで少し休んでから、近くの "ビリヤニ" の店へ向かった。インド旅行の前に、日本にいるインド人の友達が「絶対に食べるべき」と勧めてくれた料理だ。店内は地元の人で賑わってて、観光客向けじゃないからか英語を話せる店員さんはほとんどいなかったけど、親切なお客さんが助けてくれて、なんとか注文できた。ビリヤニは香ばしいご飯とスパイスが絶妙に混ざり合って、すごく美味しかった。

店員さんは気をつかってスプーンを用意してくれたけど、インド人を見習って右手で食べることにした。慣れてなくて少し苦戦したけど、現地の文化を体験するいい機会になった。その夜はお腹も心も満たされた状態で、コンビニでお菓子を買ってホテルに戻り、ゆっくり休んだ。

コンビニと言っても日本のような感じじゃなく、スーパーを小さくしたような店だった。
インド1日目終了
初日からかなり濃かったけど、ここで終わりじゃない。翌日はデリーからアグラへ移動して、タージマハルを見に行く。